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冬の寒い日、暖房をつけているのになぜか足元がスースーする、部屋がなかなか暖まらないと感じたことはありませんか。
その原因は、ドアの下にあるわずかな隙間から入り込む「すきま風」かもしれません。この問題を解決するために、高価な道具や専門的な知識は必要ありません。
実は、100円ショップのアイテムで誰でも簡単にすきま風対策ができます。
この記事では、100均グッズを使ってドア下の隙間を埋める具体的な方法や、対策のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
なぜドアの下に隙間があるのか?

そもそも、なぜ多くの室内ドアの下には隙間が設けられているのでしょうか。
実はこの隙間には、ちゃんとした理由があります。しかし、その隙間が原因でいくつかの問題が発生することもあります。
ドアの隙間には「換気」の役割がある
室内ドアの下にある隙間は、「アンダーカット」と呼ばれ、主に部屋の換気をスムーズに行うために設けられています。
2003年に施行された改正建築基準法により、住宅には24時間換気システムの設置が義務付けられました。このシステムが効率的に機能するためには、家全体の空気の流れを確保する必要があります。
ドアの下の隙間は、部屋から廊下へ、そして換気扇へと空気を導くための重要な通り道となっているのです。
この空気の流れがあることで、部屋の空気がよどむことなく、常に新鮮な状態に保たれます。
隙間を放置すると発生するデメリット
計画的につくられた隙間ですが、特に冬場にはいくつかのデメリットが生じます。
| デメリット | 具体的な内容 |
| 冷暖房効率の低下 | 冬は冷たいすきま風が侵入し、暖房で暖めた空気が逃げてしまいます。夏はその逆で、冷房の冷気が逃げ、外の熱気が入り込みます。エアコンの設定温度を過剰に調整する必要が生まれ、光熱費が増加する原因となります。 |
| 害虫の侵入経路 | ドア下の隙間は、ゴキブリやクモなどの小さな害虫にとって格好の侵入経路となる可能性があります。 |
| 音漏れ・光漏れ | 廊下の話し声が部屋に聞こえたり、深夜に廊下の明かりが寝室に漏れ込んできたりと、プライバシーや快適な睡眠を妨げる原因にもなります。 |
100均で買えるドア下の隙間対策グッズ
最近の100円ショップでは、専門のホームセンターに引けを取らないほど、多種多様な隙間対策グッズが販売されています。代表的な商品を3つのタイプに分けて紹介します。
【関連記事】ドアの隙間風対策を徹底解説!簡単DIYで冬も快適に! » 中尾製作所オンラインショップ
テープタイプ(起毛・スポンジ)
すきまテープは、最も手軽で一般的な対策グッズです。裏面が粘着テープになっており、ドアの下に直接貼り付けて使用します。主に「起毛タイプ」と「スポンジタイプ」の2種類があります。
隙間テープのタイプ
- 起毛タイプ:細かい毛が密集しており、摩擦が少ないためドアの開閉がスムーズです。床との接触による消耗が少なく、耐久性に優れています。
- スポンジタイプ:クッション性が高く、気密性に優れています。厚みがあるため、比較的大きな隙間にも対応できます。
クッションタイプ(ドラフトストッパー)
発泡ポリエチレンなどで作られたクッション状のアイテムで、「ドラフトストッパー」という名称で販売されていることが多いです。
ドアの下にスライドさせてはめ込むだけで設置が完了するため、テープの跡が残る心配がありません。取り外しも簡単なので、賃貸住宅にお住まいの方や、換気が必要な時期だけ取り外したい場合に便利です。ハサミで簡単にカットできるため、ドアの幅に合わせて調整できます。
シリコンタイプ
半透明のシリコンゴムでできたテープ状の製品です。柔軟性が高く、床面にしっかりとフィットして隙間を塞ぎます。目立ちにくいため、ドアのデザイン性を損ないたくない場合に適しています。こちらも裏面が粘着テープになっており、簡単に貼り付けられます。
100均グッズは手軽に試せるのが魅力ですが、耐久性や効果に限界を感じることもあるでしょう。
より本格的な対策をお考えなら「ボトムタイトナー」がおすすめです。
ドアが閉まると自動でゴムシールが作動し、床との隙間をしっかり密閉してくれます。
堀込タイプと面付タイプがあり、後付けリフォームにも対応しています。長期的な効果を求める方は、ぜひご検討ください。
【種類別】100均グッズを使った隙間の埋め方

どのタイプのグッズも、特別な工具は不要で、誰でも簡単に設置できます。ここでは、種類ごとの基本的な設置手順を解説します。
テープタイプの貼り付け手順
手順
- 掃除:まず、テープを貼り付けるドアの下の部分をきれいに拭き、ホコリや汚れ、油分を完全に取り除きます。汚れが残っていると粘着力が弱まる原因になります。
- 採寸とカット:ドアの幅を測り、すきまテープを適切な長さにハサミでカットします。
- 貼り付け:剥離紙を少しずつ剥がしながら、テープが曲がらないように慎重にドアの下部に貼り付けます。この際、床に擦れすぎないように、少しだけ上側に押し上げるように貼るのがコツです。
- 圧着:最後に、テープ全体を指でしっかりと押さえて圧着させ、完了です。
クッションタイプの設置手順
手順
- 採寸とカット:ドアの幅に合わせて、ドラフトストッパーをハサミやカッターでカットします。発泡ポリエチレン製なので、簡単に切断できます。
- 設置:カットしたストッパーを、ドアの下の隙間にスライドさせてはめ込みます。
- 調整:ドアを開閉してみて、スムーズに動くか、ずれないかを確認します。もし頻繁にずれるようであれば、両面テープなどで軽く固定すると良いでしょう。
シリコンタイプの貼り付け手順
シリコンタイプの貼り付け方も、基本的な手順はテープタイプと同じです。
手順
- 掃除:貼り付け面をきれいにします。
- 採寸とカット:ドアの幅に合わせてカットします。
- 貼り付け:剥離紙を剥がしながら、ドアの下部に貼り付けます。シリコンは柔軟性があるため、多少の凹凸にもフィットします。
- 圧着:全体をしっかりと押さえて固定します。
ドア下の隙間を埋めるメリット
100円の投資でドア下の隙間を埋めることにより、私たちの生活には多くのメリットがもたらされます。
メリット1:暖房効率の向上と光熱費の節約
最大のメリットは、すきま風による熱の流出を防ぎ、冷暖房効率を高めることです。冬は暖房の暖かい空気を室内に留め、夏は冷房の冷気を逃がしません。
これにより、エアコンの無駄な稼働を減らし、結果的に電気代の節約につながります。
メリット2:害虫の侵入防止
ドア下の隙間は、小さな虫の侵入経路になりがちです。
物理的にこの隙間を塞ぐことで、ゴキブリやクモといった不快な害虫が家の中に入ってくるのを防ぐ効果が期待できます。
メリット3:外部からの騒音や光漏れの軽減
隙間を塞ぐことで、気密性が高まり、遮音性も向上します。廊下からの話し声やテレビの音などが部屋に聞こえにくくなり、より静かで集中できる環境を作ることができます。
また、寝室のドアであれば、光漏れを防いで安眠をサポートする効果もあります。
100均グッズは手軽ですが、粘着力の低下や劣化が早く、本来の効果を十分に発揮できないケースも少なくありません。
「ボトムタイトナー」なら、ドアが閉まると自動でゴムシールが作動し、床との隙間を確実に密閉できます。
耐久性にも優れており、長期間安定した効果が続くため、結果的にコストパフォーマンスも高くなります。
ドア下の隙間を埋めるデメリットと注意点

手軽でメリットの多いすきま風対策ですが、いくつか注意すべき点もあります。対策を行う前に、デメリットについても理解しておきましょう。
換気効率が低下する可能性がある
前述の通り、ドア下の隙間は計画的な換気のために設けられています。
この隙間を完全に塞いでしまうと、家全体の空気の流れが滞り、24時間換気システムが正常に機能しなくなる可能性があります。
特に気密性の高いマンションなどでは、換気不足になる恐れがあるため、定期的に窓を開けて換気するなど、意識的な空気の入れ替えが必要になります。
ドアの開閉がしにくくなる場合がある
使用するテープの厚みがドア下の隙間に合っていないと、床に過度に擦れてしまい、ドアの開閉が重くなったり、異音がしたりすることがあります。
また、摩擦によってテープや床材が傷つく可能性も考えられます。設置する際には、適切な厚みの製品を選びましょう。
賃貸物件での注意点
賃貸住宅の場合、退去時に原状回復の義務があります。粘着力の強いテープを使用すると、剥がす際にドアの塗装や表面を傷つけてしまう可能性があります。
対策を行う際は、跡が残りにくいテープを選ぶか、いつでも取り外し可能なクッションタイプ(ドラフトストッパー)を利用するのが最も安全で安心です。
参考:住宅:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について – 国土交通省
まとめ
ドアの下の隙間から侵入するすきま風は、100均で手軽に購入できるすきまテープやドラフトストッパーを使うことで、誰でも簡単に解決できます。
この小さな工夫一つで、冬は部屋の暖かさを保ち、光熱費の節約にも繋がります。
ご自宅の状況に合わせて最適なグッズを選び、はじめやすい所から冬の寒さ対策を始めてみてはいかがでしょうか。
また、100均グッズは手軽に試せるのが魅力ですが、耐久性や効果に限界を感じやすくもあるため弊社中尾製作所では、より本格的な対策にピッタリな「ボトムタイトナー」を取り扱っています。
ドアが閉まると自動でゴムシールが作動し、床との隙間をしっかり密閉してくれます。
堀込タイプと面付タイプがあり、後付けリフォームにも対応しています。長期的な効果を求める方は、ぜひご検討ください。



















