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「部屋の雰囲気を変えたい」「ドアの傷が気になる」。
そんなとき、室内ドアの交換を考える方は多いでしょう。しかし、業者に頼むと費用がかさむため、「自分でできないだろうか?」と考えるDIY好きの方もいるはずです。
結論から言うと、ポイントさえ押さえれば室内ドアの交換は自分で十分に可能です。
この記事では、DIYで室内ドアを交換するために必要な知識を、準備から具体的な手順、失敗しないための注意点まで、分かりやすく解説していきます。
室内ドアの交換は自分でできるのか?
室内ドアの交換は、DIYの中でも比較的チャレンジしやすい部類に入ります。ただし、全てのケースでDIYが最適とは限りません。
まずは、どのような場合が自分で交換するのに向いていて、どのような場合はプロに任せるべきかを知っておきましょう。
DIYが向いているケース
DIYでのドア交換が向いているのは、主に「ドア本体(扉)だけを交換する」場合です。現在のドア枠をそのまま利用し、扉だけを新しいものに取り替える作業であれば、適切な工具と手順の理解があれば、DIY経験が少ない方でも挑戦可能です。費用を大幅に抑えられるのが最大のメリットです。
プロに依頼すべきケース
一方で、ドア枠ごと交換する場合や、開き戸を引き戸に変更するなど、ドアの種類自体を変えるリフォームは、プロに依頼することをおすすめします。これらの作業は壁の解体や補修といった専門的な技術が必要となり、DIYの難易度が格段に上がります。また、ドアの建付けが悪い原因が家自体の歪みにある場合も、専門家による診断と調整が必要です。
DIYで交換する前に!準備するものリスト
自分でドアを交換すると決めたら、まずは必要なものを揃えるところから始めましょう。事前の準備が、作業のスムーズさと仕上がりの美しさを左右します。
新しい室内ドアの選び方
新しいドアを選ぶ際は、デザインや色だけでなく、必ず現在のドアと「同じサイズ」のものを選んでください。後ほど詳しく解説しますが、幅・高さ・厚さの3辺を正確に測り、同じ寸法のドアを購入するのが、DIY成功の絶対条件です。また、取っ手や鍵などの金物(ドアノブセット)が付属しているかも確認しておきましょう。
必要な工具一覧
室内ドアの交換作業では、以下の工具が一般的に必要となります。作業を始める前に、すべて揃っているか確認してください。
工具の種類 | 主な用途 |
電動ドライバー | 蝶番やドアノブのネジの着脱。作業効率が格段に向上します。 |
メジャー | ドアの寸法や蝶番の位置を正確に測るために必須です。 |
鉛筆、定規 | 新しいドアに加工位置の印を付けるために使用します。 |
ノミ、ハンマー | 蝶番をはめ込むための座彫り(掘り込み)加工に必要です。 |
キリ | ネジを打つ前の下穴開けに使用します。木材の割れを防ぎます。 |
作業用手袋 | 手の保護のために必ず着用しましょう。 |
水平器 | 水平器があるとドアが正しく垂直・水平に取り付けられているかを確認できます。 |
これらの工具はホームセンターなどで揃えることができます。特に電動ドライバーは力のいるネジの締め外しを簡単にしてくれるため、ぜひ用意したいアイテムです。
【最重要】室内ドアの正確な測り方

DIYでのドア交換において、最も重要で、かつ失敗しやすいのが「採寸」です。ここで測り間違えると、新しいドアが枠に収まらなかったり、隙間が大きすぎたりする原因になります。
必ずミリ単位で正確に計測してください。
ドアの幅を3カ所で測る
ドアの幅は、上部・中央・下部の3カ所を測ります。長年の使用でドア枠が微妙に歪んでいることがあるためです。3カ所のうち、最も小さい数値をそのドアの正式な「幅」として記録してください。
これにより、新しいドアが枠に引っかかって入らない、という事態を防げます。
ドアの高さを測る
高さも幅と同様に、ドアの左端と右端の2カ所を測り、小さい方の数値を採用します。メジャーが曲がらないように、まっすぐ垂直に測ることがポイントです。
ドアの厚さを確認する
ドアの厚さも見落としがちな重要な寸法です。厚すぎるとドアが閉まらず、薄すぎるとガタつきの原因になります。ドアの側面を測り、現在の厚さを正確に把握しましょう。
丁番(ヒンジ)の位置を記録する
ドアを支えている金具である丁番(蝶番)の位置も、正確に記録しておく必要があります。ドア枠の上端から、各丁番の上端までの距離をそれぞれ測っておきましょう。
この情報が、新しいドアを加工する際の基準となります。
【手順解説】室内ドアを自分で交換する方法
採寸と準備が完了したら、いよいよ交換作業に入ります。焦らず、一つ一つの手順を丁寧に行うことが成功の秘訣です。
手順1:古いドアを取り外す
まず、古いドアを取り外します。ドアを開けた状態で、下側の丁番から順番にネジを緩めていきます。全てのネジを一度に外すとドアが倒れて危険なので、各丁番のネジを1〜2本残した状態で支えながら、最後に全てのネジを外してドアを取り除きます。
手順2:丁番や取っ手の位置を写す
取り外した古いドアと新しいドアを並べて置き、採寸した丁番の位置やドアノブの位置を、鉛筆と定規を使って新しいドアに正確に書き写します。
この「写し」の作業が、仕上がりを大きく左右する重要なポイントです。
手順3:新しいドアを加工する
写した印に合わせて、新しいドアを加工していきます。丁番を取り付ける部分には、ノミとハンマーを使って、丁番の厚み分だけ掘り込む「座彫り」という作業が必要です。
また、ドアノブを取り付けるための穴も、電動ドリルや専用の工具で開けます。
手順4:新しいドアを取り付ける
加工が終わったら、新しいドアに丁番とドアノブを取り付けます。その後、取り外したときとは逆の手順で、上側の丁番からドア枠に固定していきます。
全てのネジを仮止めした状態で一度ドアを閉めてみて、スムーズに開閉するか、枠との隙間は均等かなどを確認します。問題がなければ、全てのネジを本締めして作業は完了です。
ドアに蝶番を付ける方法についてはこちらをご覧ください。
【内部リンク】
ドア蝶番の付け方完全ガイド!初心者でも失敗しない取り付け手順 » 中尾製作所オンラインショップ
室内ドア交換で失敗しないための注意点

最後に、DIY初心者が陥りがちな失敗を防ぐための、特に重要な注意点を3つ紹介します。
ドア本体だけの交換か枠ごとか確認する
繰り返しになりますが、DIYで行うのは基本的に「ドア本体のみ」の交換です。ドアの動きが悪い原因が、ドア枠の歪みや建物の構造にある場合は、ドアだけを新しくしても問題は解決しません。まずは不具合の原因を見極めることが大切です。
採寸はミリ単位で正確に行う
「少しくらい大丈夫だろう」という油断が、大きな失敗に繋がります。採寸は、ドア交換の成否を分ける最も重要な作業です。面倒でも、幅と高さは複数箇所を測り、必ずミリ単位で記録してください。
作業スペースを十分に確保する
ドアは大きく、重量もあります。古いドアと新しいドアを並べて作業できるだけの、十分なスペースを確保してください。
また、加工の際には木くずが散らかりますので、床を養生したり、屋外で作業したりするなどの工夫も必要です。
まとめ
室内ドアの交換は、正しい手順と丁寧な作業を心がければ、自分で十分にできるDIYです。業者に依頼するよりも費用を大きく抑えられるだけでなく、自分の手で住まいを快適にしたという大きな達成感も得られます。
この記事を参考に、ぜひ室内ドアのDIY交換にチャレンジしてみてください。