引き戸リフォームの費用はいくら?開き戸からの交換や後付けの方法と注意点を解説します

2025.8.19
SPECIAL FEATUREコラム

「開き戸のせいで廊下が狭く感じる」「親のために、軽い力で開けられるドアにしたい」。

そんな住まいの悩みを、引き戸へのリフォームで解決できるかもしれません。引き戸は日本の住宅と相性が良く、空間を有効活用できるなど多くのメリットがあります。

しかし、いざリフォームを考えると「費用はどれくらいかかるの?」「どんな方法があるの?」といった疑問が次々と湧いてくるのではないでしょうか。

この記事では、引き戸リフォームの費用相場から、具体的な工事の種類、後悔しないためのポイントまで、知りたい情報を網羅的に解説します。

まず、開き戸から引き戸にリフォームすることで、どのようなメリットが得られるのか具体的に見ていきましょう。デザイン性だけでなく、日々の暮らしやすさを向上させる多くの利点があります。

省スペースで空間を有効活用できる

引き戸の最大のメリットは、なんといっても省スペースであることです。

開き戸のようにドアの前後に開閉スペースを必要としないため、ドアのすぐそばに家具を置いたり、廊下を広く使ったりと、空間を最大限に有効活用できます。

特に限られたスペースの有効活用が求められる日本の住宅環境において、このメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

バリアフリー対応で暮らしやすさが向上する

引き戸は、バリアフリーの観点からも非常に優れています。開き戸のように体を大きく動かして開け閉めする必要がなく、横にスライドさせるだけで済むため、お子様から高齢者、車椅子を利用する方まで、誰にとっても楽に操作できます。

床のレールをなくした「上吊り式」の引き戸を選べば、足元がフラットになり、つまずく心配もなくさらに安全性が高まります。

開放感のある空間を演出できる

引き戸を開け放しておくことで、隣接する二つの部屋をひとつの大きな空間として利用できます。

例えば、リビングと隣の和室の間の襖を引き戸に替えれば、普段は一体感のある広々としたLDKとして、来客時には仕切って客間として使うなど、ライフスタイルに合わせた柔軟な使い方が可能です。

多くのメリットがある一方で、引き戸にはいくつかのデメリットも存在します。リフォームしてから後悔しないように、あらかじめ注意点を理解しておくことが大切です。

開き戸に比べて気密性や遮音性が低い

引き戸は構造上、ドアと壁の間に隙間が生まれやすいため、開き戸に比べると気密性や遮音性、断熱性が劣る傾向にあります。そのため、リビングの冷暖房効率が少し落ちたり、寝室や書斎など、音漏れが気になる部屋への設置は慎重に検討する必要があります。

壁の内部に引き込むタイプは設置に制限がある

扉を壁の中に収納する「引き込み戸」は、見た目がすっきりして人気ですが、設置するには扉を引き込むためのスペース(戸袋)が壁内に必要です。そのため、建物の構造によっては設置が難しかったり、大掛かりな壁の工事が必要になったりする場合があります。

レール部分の掃除が必要になる

床にレールがあるタイプの引き戸は、レール部分の溝にホコリやゴミが溜まりやすいというデメリットがあります。スムーズな開閉を維持するためには、定期的な掃除が欠かせません。この手間を避けたい場合は、前述した「上吊り式」の引き戸がおすすめです。

引き戸リフォームと一口に言っても、現在の状況によって工事内容や費用は大きく異なります。ここでは、代表的な3つのパターン別に、費用相場と工事期間の目安を見ていきましょう。

リフォームのパターン費用相場工事期間の目安
開き戸から引き戸への交換10万円~30万円1日~3日
既存の古い引き戸の交換5万円~20万円半日~1日
壁に新しく引き戸を設置15万円~40万円2日~5日

※上記はあくまで目安です。使用するドアのグレードや工事の規模によって変動します。

開き戸から引き戸に交換するリフォーム

現在開き戸がついている場所を、引き戸に変更するリフォームです。既存のドア枠や壁をどう処理するかで「カバー工法」と「壁解体工法」の2種類に分かれます。既存の枠の上に新しい枠をかぶせるカバー工法なら、壁を壊す必要がなく、費用も工期も抑えられます。

既存の古い引き戸を交換するリフォーム

すでに設置されている古い引き戸を、新しい引き戸に交換するリフォームです。これが最もシンプルな工事で、費用も比較的安く済みます。

ドア本体の交換だけであれば、半日程度で完了することも少なくありません。動きが悪くなった、デザインが古くなった、といった場合に最適です。

壁に新しく引き戸を設置するリフォーム

これまで壁だった場所に、新たに引き戸を設置するリフォームです。部屋の間仕切りを新設したい場合などがこれにあたります。

壁を解体して柱や下地を補強し、新しいドア枠と引き戸を設置するため、他のパターンに比べて費用と工期がかかります。

リフォームを検討する際には、どのような種類の引き戸があるのかを知っておくことも重要です。ここでは、代表的な3つのタイプをご紹介します。

片引き戸:最もスタンダードなタイプ

1枚の扉を左右どちらかの壁に沿ってスライドさせる、最も一般的な引き戸です。シンプルな構造で、どんな部屋にも合わせやすいのが特徴です。廊下から部屋に入る部分など、多くの場所で採用されています。

引き違い戸:押入れなど大きな開口部に

2枚の扉を左右どちらからでも開けられるタイプで、主に押入れの襖などに使われています。開口部を広く取れるのがメリットです。2枚の扉が別々のレールの上を動くため、どちらの扉も自由に動かすことができます。

引き込み戸:戸袋に扉を収納するタイプ

扉を開けたときに、壁の中に設けられた「戸袋」というスペースに扉が完全に収納されるタイプです。

開けたときに扉が見えなくなるため、壁面がすっきりと見えるのが最大のメリットです。ただし、設置には戸袋を作るための壁工事が必要になります。

最後に、引き戸リフォームを成功させ、後悔しないために押さえておくべき重要なポイントを3つご紹介します。

リフォームの目的を明確にする

「なぜ引き戸にしたいのか」という目的を、はじめに明確にしておくことが非常に重要です。

「空間を広く見せたい」「バリアフリー化したい」「デザインを一新したい」など、目的によって選ぶべき引き戸の種類や工法、かけるべき費用が変わってきます。

設置場所の採寸を正確に行う

引き戸を設置するには、扉本体のスペースに加えて、扉を引き込むためのスペース(引き込みしろ)が壁に必要です。この採寸を間違えると、「思ったより開口部が狭くなった」「家具が置けなくなった」といった失敗につながります。

採寸は業者に任せるのが基本ですが、自分でも大まかな寸法を把握し、設置後のイメージを持っておくことが大切です。

信頼できるリフォーム業者を選ぶ

引き戸リフォームの満足度は、業者選びで決まると言っても過言ではありません。

複数の業者から見積もりを取り、費用だけでなく、担当者の対応や提案内容、過去の実績などを総合的に比較検討しましょう。

こちらの要望を親身に聞いて、メリットだけでなくデメリットもきちんと説明してくれる業者を選ぶことが、成功への近道です。

引き戸へのリフォームは、住まいのデッドスペースを解消し、日々の暮らしをより快適で安全なものにしてくれます。

開き戸からの交換や古い引き戸の取り替えなど、様々な方法があり、費用や工期も異なります。

この記事で紹介した情報を参考に、ご自身の目的と予算に合った最適なリフォームプランを立ててください。

引き戸によく採用されているソフトクローズをご検討中の方はこちらをご覧ください。

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