ドアストッパー 閉まらない

ソフトクローザーが閉まらない!原因別の直し方と修理費用の相場を紹介

2025.6.11
SPECIAL FEATUREコラム

ソフトクローザーが効かなくなって、引き戸がスムーズに閉まらない…。

そんな状況でお困りではありませんか?

ドアがゆっくり閉まる「ソフトクローザー」は便利な機能ですが、使用していると閉まらなくなったり、途中で止まってしまったりすることがあります。

この記事では、ソフトクローザーが閉まらない原因と自分でできる修理方法を詳しく解説します。

DIY初心者でも安心して取り組める修理手順から、業者に依頼すべきケースまで幅広くカバーしているので、ぜひ参考にしてください。

ソフトクローザーについての詳しい情報はこちらをご覧ください。

ソフトクローザー付き引戸 が選ばれる理由:その快適さと安全性の秘密 » 中尾製作所オンラインショップ

ソフトクローザーが閉まらない5つの原因

ソフトクローザーが正常に機能しなくなる原因はいくつかあります。まずは自宅のドアにどの原因があてはまるのか、確認してみましょう。

原因具体的な状況発生しやすい場所
レールの汚れホコリやゴミが溜まっている引き戸の上レール
受け部分の調整不良ソフトクローザーの受け部品の位置がずれている引き戸の上部
ソフトクローザー内部のバネ疲労やオイル漏れバネの弾力が弱まり、引き込み力が不足ソフトクローザー本体
ガイドローラーの位置ずれ上部のガイドローラーがレールとずれている引き戸の上部
部品の劣化・破損長期使用による部品の摩耗や破損ソフトクローザー本体

上部レールやローラー部分にホコリやゴミが溜まっている

上吊式引戸では、扉の重量を上部のレールとローラー(戸車)が支えています。

このレールやローラー部分にホコリや髪の毛、虫の死骸などが溜まると、スムーズなスライドが妨げられ、ソフトクローザーが最後まで作動しない原因になります。

また、レールにゴミが詰まってローラーの動きが不安定になると、引き込みタイミングがずれて正常に閉まりません。

特に上部レールは目線より高いため、汚れに気づきにくく見落とされやすいポイントです。定期的な清掃がトラブル防止に有効です。

ソフトクローザーの受け部分の調整不良

ソフトクローザーには、引き戸を受け止めて引き込む「受け部品」があります。

この受け部品の位置がずれていると、引き戸が正しく受け止められず、閉まらないことがあります。

受け部品の位置は、ネジの調整で上下に動かすことができます。適切な高さに調整することで、多くの場合は問題が解決します。

ソフトクローザー内部のバネ疲労やオイル漏れ

ソフトクローザー内部には、引き込み動作を補助するスプリング(バネ)や油圧ダンパーが組み込まれています。以下のような症状が見られる場合、内部の劣化が原因で閉まりきらないことがあります。

  • バネの弾力が弱まり、引き込み力が不足
  • 油圧機構のオイルが漏れてダンパーの動きが不安定
  • ダンパー内で異常な引っかかりが発生して動作不良

これらは見た目には分かりにくいですが、「最後の引き込みが毎回甘い」「途中で止まる」「動きが遅くなった」などの症状として現れます。

ガイドローラーの位置ずれ

引き戸の上部には「ガイドローラー」と呼ばれる部品があり、これがレールの中央部分からずれていると、引き戸の動きが不安定になり、ソフトクローザーがうまく機能しないことがあります。

ガイドローラーには左右調整用のネジが付いていることが多く、これを調整することでレールの中央に位置を合わせることができます。

部品の劣化や破損

ソフトクローザーを長期間使用していると、部品が劣化したり破損したりすることがあります。

特にソフトクローザー本体の「アーム」と呼ばれる部分や、ローラー部分のゴムが劣化すると、正常に機能しなくなります。

ソフトクローザーの部品が劣化・破損している場合は、部品の交換が必要になることがほとんどです。一般的なソフトクローザーの耐用年数は約10年ですが、使用頻度によっては早めの交換が必要な場合もあります。

自分でできるソフトクローザーの修理方法

ソフトクローザーが閉まらない原因がわかったら、次は修理方法を見ていきましょう。多くの場合、専門的な技術がなくても自分で修理することが可能です。

必要な道具リスト

ソフトクローザーの修理に必要な道具は、一般的な家庭にあるものがほとんどです。

  • プラスドライバー(大・小)
  • マイナスドライバー
  • 脚立またはしっかりした踏み台
  • ライト(暗い場所を照らすため)
  • 保護メガネ(作業中の目の保護)
  • 掃除用具(掃除機、ブラシ、雑巾など)

電動ドライバーは使用しないでください。細かな調整が必要な作業では、電動ドライバーだと力加減の調整が難しく、部品を破損させてしまう恐れがあります。

上部レールと戸車まわりの掃除方法

上部レールや戸車まわりの汚れが原因の場合、以下の手順で掃除しましょう。

手順1:

引戸をゆっくり開けて、上部のレールと吊車(ローラー)の状態を目視で確認

 脚立や踏み台を使い、安全に確認できる位置から行ってください。

手順2:

掃除機の細いノズルでレール内部のホコリやゴミを吸引

 レール内に詰まったゴミや虫の死骸などを吸い取ります。

手順3:

柔らかいブラシや乾いたウエス(布)で、レールや吊車周辺をやさしく清掃

 ローラーの回転部やレールの内側など、細かい部分も忘れずに拭き取ってください。

※掃除後に引き戸の動きが滑らかになり、ソフトクローザーの不具合が解消するケースも非常に多いです。

ソフトクローザー受け部品の調整手順

ソフトクローザーの受け部品がうまく機能していない場合は、以下の手順で調整を行いましょう。

手順1:

受け部品の位置を確認する 引き戸を少し開けた状態で、上部に取り付けられているソフトクローザーの受け部品を確認します。

手順2:

調整用のネジを緩める 受け部品を固定しているネジを、ドライバーで少し緩めます。

手順3:

受け部品の高さを調整する ネジを反時計回りに回すと受け部品が下がり、時計回りに回すと上がります。多くの場合、受け部品を少し下げることで、引き戸をより確実にキャッチできるようになります。

手順4:

調整後にネジを締める 適切な位置に調整できたら、緩めたネジをしっかりと締め直します。

手順5:

動作確認をする 引き戸を開けてから閉めて、ソフトクローザーが正常に機能するか確認します。

引き込み力の調整方法

ソフトクローザーの引き込み力が弱い場合は、以下の手順で調整を行いましょう。

手順1:

引き込み力調整ネジを探す ソフトクローザー本体に付いている調整ネジを探します。通常は「強・弱」や「H・L」などの表示とともにあります。

手順2:

調整ネジを回す ドライバーを使って、調整ネジを「強」または「H」の方向に少しずつ回します。

手順3:

動作確認をする 調整後、引き戸を動かして、ソフトクローザーの引き込み力が適切かどうかを確認します。

部品交換が必要な場合の対処法

掃除や調整を行っても改善されない場合は、部品の交換が必要になります。

交換が必要な部品の見分け方

以下の点をチェックして、引戸用ソフトクローザーの部品交換が必要かどうかを判断しましょう。

部品交換の手順

手順1:

該当のソフトクローザー型番を確認

手順2:

メーカーサイトまたはホームセンターで部品を取り寄せ

手順3:

ドライバーで既存部品を取り外し、同じ位置に新しい部品を取り付け

手順4:

引き込み動作の確認・再調整

※型番が不明な場合は、スマホで現物を撮影し、販売店に相談するのが安全です。

修理する際の注意点

ソフトクローザーの修理は、基本的な工具があれば自分でも行えますが、安全に作業を進めるためにいくつかの注意点があります。

ケガや故障を防ぐため、以下のポイントに注意して作業を行いましょう。

安全面での注意事項

ソフトクローザーを修理する際は、まず安全な作業環境を整えることが大切です。

脚立を使う場合は開き止め金具をしっかりロックし、安定した足場を確保しましょう。

また、作業時には電動ドライバーではなく手回しドライバーを使い、細かな調整を丁寧に行うことが重要です。

目の保護のため保護メガネを着用し、ドアやパーツの取り扱いにも注意が必要です。

また、修理の際はすべてのネジを一度に緩めず、一本ずつ確認しながら作業を進めてください。

引き戸を持ち上げる作業が必要な場合は、重さによるケガを防ぐため、無理をせず複数人で行うようにしましょう。

ポイント

  • 必ずドアが外れないようしっかり固定して作業する
  • 軍手や保護メガネを使用し、ケガ防止を徹底
  • 無理に力を入れて部品を動かさない(破損の原因に)

無理せず業者に依頼すべきケース

DIY修理にも限界があります。部品が複雑に破損している場合や、特殊な工具・入手困難な部品が必要な場合は、専門業者への依頼を検討してください。

また、引き戸自体の歪みやレールの変形がある場合も、建具全体の調整が必要となるため、プロの手に委ねるべきでしょう。

特に新築やリフォームから間もない場合、ソフトクローザーは保証期間内である可能性があります。

その場合は自分で修理せず、まず住宅メーカーや工務店に相談することで、無償修理が受けられる可能性もあります。

安全と効率を考慮し、自分の技術や知識に合わせて適切に判断しましょう。

ソフトクローザートラブルの予防法

ソフトクローザーのトラブルを未然に防ぐには、日常のメンテナンスや適切な使用方法が重要です。ここでは、ソフトクローザーを長く快適に使うためのポイントを紹介します。

定期的なメンテナンス方法

ソフトクローザーを含む引き戸全体のメンテナンスを定期的に行うことで、故障を予防できます。3〜6ヶ月に一度程度のメンテナンスがおすすめです。

手順1:

上部レールと吊車(ローラー)の清掃

レール内にホコリや虫の死骸、髪の毛などが詰まると、ローラーの動きを妨げてソフトクローザーの作動に悪影響を及ぼします。掃除機の細ノズルや柔らかいブラシでレール内部を丁寧に掃除しましょう。

手順2:

吊車(ローラー)の点検

タイヤ部分がスムーズに回転するか、すり減っていないか、軸にガタつきがないかを確認します。異常があれば早めの交換を検討しましょう。

手順3:

ソフトクローザー本体と受け部品の確認

固定ビスの緩みや受け金具の位置ズレ・変形がないかを確認します。扉の引き込み動作が鈍い、途中で止まるといった症状が出ている場合は、部品の調整や交換が必要です。

手順4:

引戸全体のスムーズな動作を確認

開閉時に引っかかりや異音、振動がないかチェックします。違和感を覚えた場合は、吊元の調整やパーツ点検を行いましょう。

長持ちさせるための使用上の注意点

ソフトクローザーを長持ちさせるためには、日常の使い方にも注意が必要です。

まず、ソフトクローザーが作動中に無理に力を加えないことが重要です。

ソフトクローザーが効いている際に押したり引いたりすると、内部機構に負担がかかり故障の原因になるため、自然に閉まるのを待ちましょう。

また、引き戸を閉める際は適切な速度で閉めることが大切です。

強く勢いよく閉めすぎるとソフトクローザーに負担がかかりますし、逆にゆっくりすぎると正常に作動しないことがあります。自然な速度で閉めるよう心がけましょう。

季節の変化に応じた対応も必要です。

湿度や気温の変化によって引き戸の動きは変わることがあります。特に梅雨時期は湿度が高くなり引き戸が膨張して動きが重くなりやすく、冬場は乾燥で引き戸が収縮して隙間が大きくなることがあるため、状況に応じて調整を行うと良いでしょう。

まとめ

ソフトクローザーが閉まらない問題は、日常生活の中で意外と多く発生するトラブルです。

本記事では、原因の特定から自分でできる修理方法、業者に依頼すべきケースまで解説しました。 定期的なメンテナンスと適切な使用方法を心がけることで、ソフトクローザーを長く快適に使用することができます。

この記事を参考に、ソフトクローザーのトラブルを解決し、快適な住環境を取り戻してください。

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